ごあいさつ

パリに着いて、日本とは違う建物、景観に驚かされた。
そこには異文化の匂いが満ちあふれていた。
街全体が、なんて調和がとれているのだろう!
なんて色気がある街なのだろう!
街に出て、細大もらさず描きに描いた。

何年か過ぎ、石の建物に石畳の道・・・・硬いと思うようになった。
日本で生まれ育った自分には、
石だらけの街が、冷たくよそよそしい感じに映ってきた。
自分の絵はどこにあるのだろう?

パリにある美術館を観て歩いた。
モネの睡蓮の絵に心が躍った。
水の世界というのはとてつもなく深く、広い世界に思えた。

ノルマンディの小さな港町「オンフルール」に出会った・・・
石の建物と水の世界、そこにヨットや漁船やボートのアクセント。
水に映り込んだ石の建物は、やさしく絵の中におさまってきた。
そして港、運河、河、湖を描いた。

水を描いていて、見えてくるものがあった。
光と空気の存在だ!
光は色になって表情を伝える。
空気の動きで風がおき、それをタッチで表現する。
遠近は空気の層で描き分ける。

ヨーロッパの建物は、永い歴史の中で自然と調和してきた。
人は自然によっていやされ、人は人によっていやされる。
つらつらと、そんな思いが心の中で繰り返される。
風景の中に、ちらちらと人物が入りはじめる。
人物や花など石の建物に配置すると、温かみがでてくるようだ。

これからの展開が、これからの世界が、自分ながら楽しみである。
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